2013/01/12(土)
「ウエズレーの国」 ポール・フライシュマン文, ケビン・ホークス絵 (あすなろ書房)
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表紙から面白い。最初のページから面白い。ちょっと周りから浮いていて、逃げ足の早いウェズレーという男の子。お父さんもお母さんもちょっとそれを心配しているけれども、特に何とかしようと思っていないのがとても素敵だ。
夏休みに入ると、ウェズレーは庭を耕し、どこかから飛んでくる植物の種を迎え入れる。その種を育てるところからウェズレーの世界は広がっていく。夏休みが終わるとき、彼はまた学校に戻っていくのだが、夏に育んだ小さな世界は、戻っていく世界までをも大きく変えていく。
学んだこと、知ったこと、面白かったことは、「いつか何かになるさ」というお父さんとお母さんの言葉が彼のなかに確かに息づいている。 | | |