2007/09/20(木)
「ニッポンの猫」 岩合光昭 (新潮社)
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写真集というものをあまり買わない。特に猫や犬の写真集は買わない。写真のよさがよくわからないのもあるし、猫や犬なら、自分のそばにいるナマの猫や犬を見たほうが楽しい。ナマの猫や犬は動くし、気分にむらがあって気まぐれだし、もうそれだけで充分、と思える。 この写真集を買ったときは、猫にも犬にも話しかけてみる余裕すらなかった時期だった。毛玉っぽいものに触れてみたくて、ついうっかり買った。実は岩合さんの写真は、見ているこちらのほうがうわっと圧されてしまうことがある。写っている花や動物の生命の勢いが強すぎるのかもしれない。それがどうも苦手で、あまり手に取ったことがなかった。でも、この写真集はちょっと気になった。 この写真集を眺めていて気がついたのは、ああ、岩合さんは本当に猫が好きだなあ、ということと、本当に動物とお近づきになれる人なのだなあ、ということだった。ゆっくり眺めていると、風景や動物たちの鮮やかさや勢いも、まんざらでもない気がしてきた。 | | |