研究室前の窓には嵌め込みのガラスが入っている。
今日はそこに、大きなちょうちょがいた。黒の地に青い模様が美しい。
大学はまだまだお盆モードで、辺りは静かだった。
ちょうちょがガラスにぶつかると、大きな音が響いた。
――これじゃあ蝶の体力が磨り減ってしまう。――
蝶を捕らえようとして、窓のふちに足をかけて腕を伸ばす。
あたふたとわたしの手から逃げ惑う蝶に、「じっとしててー」「死んじゃうよー」と声をかけた。

後ろから忍び笑いが聞こえた。
そうそう、そうでした。
ちょうちょが気になって、先生を研究室にほったらかしにしていたのでした。御用が済んで、捕獲劇を見ておられたらしい。

屋上からちょうがひらひらと飛んでいった。

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原作が大好きな者としては
とんでもない映画が出来上がっているのでは、と恐れておりましたが
ああ、この映画の監督も、原作を深く読み込んでいる人なのだとよくわかった。

子どもにミズスマシとアメンボウを捕獲させ、
わたしは水の中に薬を放り込み、濾過器を洗浄して
生態系をなんとかしようと努力してみました。